Terry Riley with Sara Miyamoto- Everything & Beyond -

作曲家、ピアニストそしてヴォーカリストでもあるテリー・ライリーは、1964年に発表した代表作「in C」が大きなムーブメントを起こしたことから、ミニマリズムの父として広く認知されている。
60年代後半にCBSからリリースされた「A Rainbow in Curved Air」や「Poppy Nogood」 そして「The Phantom Band」等の一連の作品は、クラシック、ジャズ、ロック、エレクトロニック・シーンに大きな衝撃を与えた。
同じく60年代に日の入りから日の出まで単独で即興演奏行った「オールナイト・コンサート」は、数十年後に広く開催されるようになったレイヴイベントの先駆けである。
また、テープ・ループ、テープ・ディレイ、タイム・ラグ・アキュムレーターを用いた初期の音楽的実験は、今日のヒップホップなどに多く見られるループやサンプリング・ムーブメントの発想の原点となった。
今までに彼はグッゲンハイム賞、フロム賞、NEA賞など、多数の栄誉に輝いている。テリーはピアノをデュアン・ハンプトン、アドルフ・バレアー、ウォーリー・ローズに、作曲をロバート・エリクソンに師事。
1971年から1981年までの10年間、オークランドのミルズカレッジで作曲とラーガの教鞭を取った。
70年代、テリーは北インドの偉大なボーカリスト、パンディット・プラン・ナートの弟子となり、1970年から1996年にプラン・ナートが亡くなるまで、世界中で数多くのコンサートに同行した。
チャップマン大学、カリフォルニア芸術大学、サンフランシスコ音楽院で3つの名誉音楽博士号を取得。
彼の作品群はほぼ全てのジャンルを網羅しているといっても過言ではないが、その内、25曲以上に及ぶ弦楽四重奏のための作品のほとんどは、盟友クロノス・クァルテットとの40年に及ぶ共同作業で書かれたものである。また、100人編成の巨大オーケストラの為の交響曲や、協奏曲としては、ヴァイオリンと2本のギター、エレクトリックヴァイオリン、パイプオルガン、コーラスとオーケストラの為の作品も手がけ、室内オペラ「聖アドルフ・リング」など、多数の作品を生み出し続けている。
1960年代初頭からソロや様々な小グループで演奏活動を行ってきたテリーは、今に至るまでアメリカ、ヨーロッパ、アジアでのツアーを精力的に行っており、ステファノ・スコダニビオ、ジョージ・ブルックス、トレイシー・シルバーマン、ポール・ハンソン、ビル・ダグラス、ジョージ・マーシュ、モリー・ホルム、ザキール・フセイン、アメリア・クーニ、クリシュナ・バット、ジョン・ゾーン、ローリー・アンダーソン等との共演は特筆すべきものがある。
そして息子のギタリスト/作曲家であるギャン・ライリーのデュオ・ツアーは、22年間にわたって続いている。

宮本沙羅
1989年5月19日生。山梨県北杜市出身。
2017年のテリー・ライリー来日公演(フアナ・モリーナ、ジェフ・ミルズと競演など)のスタッフだったことをきっかけに知遇を得る。
2019年7月よりテリー・ライリー氏の正式な門弟としてインド古典声楽(ラーガ)を師事。同年の欧州ツアーにも随行。600年の歴史があるカラナ流派日本人唯一の継承者となる。