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Sam Gendel Concert Group

来日メンバー
Sam Gendel(Saxophone,Wind Synthesizer)
Philippe Melanson(Electronic Percussion)
Gabe Noel(Electric Bass)

LAをベースに活躍する、先進的な作曲家、サム・ゲンデル。ギター、サックスをメインにマルチ・インストゥルメンタル奏者として近年ハイペースで作品を発表し続け、特に日本では高い関心を集めている。
11歳のときに50ドルで購入したサクソフォンで音楽をはじめ、シーンには先進的ジャズトリオ「INGA」 のリーダーとして2015年の1stアルバムやローランド・カークの『Volunteered Slavery』を取り上げた演奏などが初期のパフォーマンスに挙げられる。
2017年からは個人名義を名乗りギターをメインにヴォーカルやラップなども織り交ぜたファースト・アルバム『4444』と路上演奏の即興によるパフォーマンスを収めた『Double Expression』、2018年リズムループとサックスの音響で構築された幻想的なアブストラクト作『Pass If Music』と全く異なる趣のアルバムを発表。LAのジャズ・コレクティブKnowerで同門だったSam Wilkesとの野心的なデュオ作『Theem and Variations』も話題になり、この年「FESTIVAL de FRUE 2018」に出演した。
彼の活動が近年大きくクローズアップされたきっかけは、米名門レーベル・ノンサッチからリリースした『SATIN DOLL』の発表の影響が大きいだろう。伝統的なジャズ・スタンダードを自ら再構築したユニークな演奏は「ジャズ・スタンダードの未来形」や「アメリカーナ・サウンドの現在進行系」など、様々な解釈を呼んだ問題作となった。
サムの気鋭ぶりは『SATIN DOLL』から僅か半年たらずで発表した『DRM』でも顕著だ。こちらは80年代のドラムマシンElectro Harmonix DRM 32と声・ギターで紡ぎ出されたルーズでゆるやかなエレクトロニカ作品、さらに2021年に入り現代音楽の作曲家・イーサン・ブラウンとのコラボ作『Rio Nilo 66』では幽玄的なアンビエントサウンドと、作品に自身の独特のトーンを残しつつも異なるアプローチで表現を広げ続けている。
音だけにとどまらず、ヴェイパーウェイヴの流れにも通じるジャンク感あるアートワークや不思議系のミュージックビデオなど、旺盛すぎるアウトプット力に脱帽するばかりだ。
Text by Hideki Hayasaka